最終更新日:2010/11/30(火) 10:14:35

本サイトの表記について

本サイトは「歴史的仮名遣版」と「現代仮名遣い版」の双方を制作、公開してゐます。このページでは、なぜ2つの版を並行して作成するのか、などについて説明します。

なぜ歴史的仮名遣版を制作、公開するのか。

本サイトの制作者には、「現代仮名遣い」より歴史的仮名遣の方が合理的、と思はれるからです。

現代の日本において、個人に対して、特定の表記方法を強制する法令はありません。1986年の内閣告示第1号「現代仮名遣い」も、その前書きにおいて「3.この仮名遣いは、科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」と明記してゐます。

また「現代仮名遣い」は、「常用漢字表」(旧・当用漢字表)とともに、戦後の国語改革の柱となる規範ですが、その常用漢字表について、今日、その「厳守」を主張される方は多くないと思はれます。最近は新聞社なども、必要に応じて、表外の漢字を振仮名なしで使用する傾向にあります(例:口蹄疫の「蹄」)。

さう考へますと、「現代仮名遣い」に囚はれる理由もないのではないか。私は1990年ごろ、そのやうに考へまして、あらためて「現代仮名遣い」と「歴史的仮名遣」を比較した結果、後者の方が相対的に、表記の規範として合理的である(理窟に合つてゐる)との結論に至りました(この点につき、興味や疑問のある方は、福田恆存『私の国語教室』をご一読ください)。

そこで、本サイトを開設するにあたり、歴史的仮名遣版を制作し公開することにいたしました。

なぜ「現代仮名遣い」版を並行して制作、公開するのか。

現在の日本において、歴史的仮名遣よりも「現代仮名遣い」の方が普及してゐるためです。

このサイトを訪問される方の大半は、歴史的仮名遣よりも「現代仮名遣い」の方に馴染みがあるはずです。さうであるなら、自説はともかく「現代仮名遣い」のページも併せて用意する方が、訪問者に対して親切と思はれます。

そこで、歴史的仮名遣版と並行して、「現代仮名遣い」版も作成することにいたしました。

2つの版の相違点はなにか。

原則として、両者の相違は仮名遣のみです。

ただし、歴史的仮名遣版が正本、「現代仮名遣い」版が副本となります。したがつて両者の内容に矛盾のある場合は、歴史的仮名遣版の記述を優先します。

更新作業も、歴史的仮名遣版を先に行ひます。基本的に、両者は同時に更新しますが、作業の関係で若干の誤差が生じる場合があります。

※なほ、歴史的仮名遣から「現代仮名遣い」への変換は、ソフトウェアを使つて機械的に行つてゐます。そのため一部に誤変換や「変換漏れ」が起きるかもしれません。お気づきになられたときはご一報いただけると幸です。

また、各ページの上部に表示される「サイト内検索」は、それぞれの版のみを検索対象とします。したがつて「現代仮名遣い」版の中から検索すると、歴史的仮名遣版のページは検索されません。

旧字体(正字体または「いわゆる康煕字典体」)に関する問題

ネットに限らず、日本語の表記に関して、仮名遣とともに問題になるのが漢字の字体です。とくに歴史的仮名遣を使ふ場合、漢字の字体を旧字体(正字体、「いわゆる康煕字典体」とも呼ばれる字体)にするかが、しばしば論点となります。この点について、本サイトでは、歴史的仮名遣版であつても、原則として常用漢字表の字体(新字体)を使用します。

理由は複数ありますが、ひとつだけ挙げますと「世に普及するコンピュータ用のフォントのほぼ総てが、常用漢字表の字体に準拠してゐるため」です。もちろん、訪問者の方に「いわゆる康煕字典体」に対応したフォント(たとへばサンセール社のUCX新旧漢字交換フォント)をインストールしていただければよいのですが、有償フォントの購入をお願ひするわけにもゆきませんので、サイトの方を新字体で統一することにしました。